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「デキる上司は休暇が長い」
小松俊明 著 (あさ出版)

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キャリアデザイン編:2004年02月26日(木)今すぐ資格信奉は捨てよう

世の中には資格好きな人がいる。古くは英検、宅建、中小企業診断士などの資格を取りまくる人がいた。 行政書士や社会保険労務士、そして税理士あたりの資格も、まあサラリーマンが夜学で勉強して取れる資格であった。最近の流行は、TOEIC、 CPA(米国公認   会計士)、ファイナンシャルプランナーなどであろうか。

何のために資格を取るのか、私は疑問に感じることが多い。業務の必要に迫られて取るのではない資格に、何の意味があるのだろうか。 「とりあえず取っていて損はない」というが、そんな時間と労力は、もっと必要に迫られた知識の習得にさくべきである。 自分の専門性を持たない人に限って、資格取得に熱を入れているというのが、私の評価である。数多くの人のレジュメを見てきたが、 この傾向は大体当たっている。

税務署で働く署員は、長く税務に携わった末に、無試験で税理士資格を得ることができる。当然といえば当然である。 彼らは税務のエクスパートなのだから。資格とは本来そのようなものである。

海外業務をしているわけでもなく、まして財務諸表を見ることなどまったくない若手国内営業マンが、経営を理解するためにと言って、 米国公認会計士資格を取りにいっているという。それも諸条件が有利だからと、 行ったことも聞いたこともないような米国のデラ  ウエア州の公認会計士試験を受けるというのだ。 英文会計の勉強をするといえば聞こえはいい。しかし当面全く業務で必要とせず、 また自分の専門性とも程遠い英文会計の資格取得にお金と時間と労力をかけている若者に、私は閉口してしまう。 そんな人物にしばらくして会うと、名刺には営業部、○○という名前の下に、ちゃっかり「米国公認会計士」と書いてある。もうひとつ、 その意図がよくわからないが、資格がブランド化(もしくは陳腐化)している典型的な例であろう。

営業マンのレジュメに「米国公認会計士」などと書いてあると、外資系企業の外国人幹部は決まって、顔をしかめてこう聞いてくる。 「彼は営業を離れて経理・財務部門にいきたいのか」私は真顔で、「いえ、この若い営業マンは、 経営者になるには英文会計くらいわからなければいけないといって、米国公認会計士の資格を取得したのですよ」とつぶやく。 「彼はデラウエア州の片田舎で公認会計士事務所でも開くつもりか」といって、結局笑い話はここで終わるのである。日本人の資格取得熱は、 ときにお笑いのレベルにまで達しているのである。ちなみに私が出会うビジネスマンの中には冗談どころか、かなり真剣に「米国公認会計士」 の資格を勉強中という。あまりそれを茶化すのは人が悪いといわれるだろうが、私は真剣にアドバイスしておきたい。 米国公認会計士の資格だけは、ちょっと目指す前に考え直してみたほうがいい。

名前は絶対に出せないが、ある大手のCPAスクールのオーナーと直接話したときに、そのオーナー本人が言っていた。 「なぜこんなに米国CPA資格が流行っているのか、ぜんぜん理解できない。自分はこれが本業になるなんて思ってもいなかったのに、 今ではだまっていてもビジネスマンの生徒たちが高い学費を払いに列を作って並んでいる。」 CPAスクールのオーナーが首をかしげているくらいだから、私は日本人の資格信奉は、 どこかおかしなところまで達してしまっているような気がしてならない。

MBAもそんな資格熱の延長で目指してほしくないものだ。 マーケティングやファイナンスを専攻するのが経営者になる道であると信じ込む必要はないのだ。社会人の再教育の重要性は間違いないが、 どうか自分の専門性を磨くために、時間、労力、そしてお金を投資してほしいものである。今すぐ、日本人は資格信奉を捨てるべきである。

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