キャリアについて:2005年02月12日(土)海外就職・MBA/キャリアについて
質問
現在3点悩んでいます。この3点について、先生よりアドバイスをご教授頂きたいと存じております。1つ目は今後のキャリアプランについて、
2つ目は、MBA受講について、悩んでおります。上記の通り、以前ドイツに駐在しており、理由があって退職し、その後、
日本に戻ってきております。もう一度、欧州に住みたい、働きたいと現在希望し、その計画を暗中模索しております。
学生時代からのかねてからの希望であったMBAを来年(2006年)9月、或いは再来年(2007年)1月に入学したいと思っており、
このMBAを「手段」として、欧州現地就職を勝ち取ろうというのが、今の考えです。
勿論、MBAを取得しさえすれば、職が現地で見つかるとは思っておりません。しかし、取得できるべく、自分を色々な角度から磨いておこう、
色々な事前準備をしておこうと考えております。
ここで、「欧州現地就職」という観点から先生に2点アドバイス頂きたく存じます。1つ目はMBAスクールについてですが、
欧州はそのほとんどのスクールが1年プログラムですが、2年プログラムもLBSやIESEのようにあり、
既にグロービスマネージメントスクールで基礎の基礎ですが、ビジネス科目を受講したこと、そして、自己経費で行くため、
金銭的観点といった理由により、現在は1年プログラムを考えております。しかし、一方、キャリアチェンジをしても、
転職需要はあるということであれば、金銭的負担は大きいですが、2年制プログラムを受講したいとも思っております。
悩んでいることは、私の決定軸が、現地就職獲得ですので、もし、転職事情で、しかも、NON EU国である日本人採用にあたっては、
それまで培ってきたバックグラウンド、職種が重要ということであれば、キャリアチェンジをせず、今までのキャリアを生かして、
就職活動をしたいと思っています。一方、正直な心の中では、金銭的には厳しいですが、
キャリア活動により費やせる時間的に余裕のある2年制プログラムにも関心を抱いております。現地就職という観点から、1年制、
2年制プログラム、先生どちらをどのような理由で、お勧め頂けますでしょうか?
2つ目の質問は、先生の著書の中にも記載ありましたら、企業が選ぶ、MBAランキングについてです。現在欧州MBAでは、
3巨頭という言われるうちのINSEAD、IMD、そして2年制プログラムも受験するのであればLBSの3校の受験を検討しております。
学校、生徒の質が高いということも大きな理由ですが、「就職に有利」であろうというのが一番大きな理由です。
WSJのMBAランキングについてですが、今年のランキングは欧州在の学校が非常に多くランクインされておりますが、
これはどういった傾向と理解したら宜しいでしょうか?特に上位4つは欧州校です。又、MBA卒業後の「現地就職」という観点からは、
WSJのランキングのほうが、他の(BW、Economist等)ランキングよりも重要視すべきでしょうか?WSJランキングで、
少しおどきましたのは、上位4校のうち、上位2校は理解できますが、4位の仏HECが、INSEAD(12位)
よりも大幅に上位に来ていることです。勿論HECも有名ですが、
INSEADのほうがリクルーターにも圧倒的に支持されていると理解しておりました・・・・
最後の3つ目の質問ですが、キャリアゴール、そして、キャリアプランについてですが、正直今自分がどういう方向に進んでいくべきか?
何か自分に適正なのか?等々を悩んでおります。自分のキャリアゴール、キャリアステップにおける、自己研究方法がありましたら、
是非ご紹介いただきたいと思います。現在MBA出願エッセー用に自己研究をしておりますが、キャリア研究に関して、未だ進んでおらず、又、
上記2つの質問とも大いに関連してくると思いますので、是非早い段階で、何か行動に移したいと切に願っております。
回答
小松です。お問い合わせの件、私の意見をお話いたします。
ご参考になれば幸いです。
●欧州現地就職について
29歳まで日本で働いてきた方が、30代以降、いきなり欧州で就職先を探すということは、現実的にはまずありえないでしょう。
厳しいかもしれませんが、このような発想は、あくまで個人的なニーズからの視点であり、採用企業の視点になって考えてみれば、
まったく合理的でないことにお気づきになると思います。仮に無理して探しても、おそらく大変苦労されるでしょうし、非常に厳しい給与条件、
また労働条件になるでしょう。それでXXさんは満足されるでしょうか。ご関心はわからなくもないのですが、このような事例は、日本人の場合、
転職市場ではほぼ皆無です。
●MBAについて
どうしてMBAをとりにいくのか、その答えが明確である必要があります。少なくても、日本の中途採用の世界におけるMBAの評価は、
ほとんどないといってもいいでしょう。英語ネイティブの欧米人が、現地で就職する際の状況を元に、MBAスクールの評価がされており、
その資料を日本にいて読んでも、自分とは関係のない世界の話です。MBAランキングは、日本人にとってほとんど意味がないといっても、
言い過ぎではないかもしれません。それでも日本人がMBAをとりに行かなければいけない理由は何なのか。自分の仕事の延長でどうしても、
XXXを勉強する必要がある、というような理由がない限り、MBAという学歴が日本の転職市場で有利に働くケースは少ないのが現状です。
●キャリアについて
29歳でいらっしゃいますから、これまでの自分がどのようなキャリアを歩んできたのか、それを振り返ることが先決であると思います。
その上で、現実的に「何が自分はできるのか」ということをできるだけ早く自覚することが大切であるでしょう。「何をしたいのか」
に悩んでいても、自分ができることしか結局できないのですから、その現実から目をそむけないよう気をつける必要があります。今いる会社、
もしくは会社が変わっても同じ業界で実績を出すことが先決であり、先にも書きましたが、MBAをとっても、何も変わりません。
MBAの日本の転職市場における評価は、残念ながら期待するほどの効力はほとんどありません。もちろん、MBAをとること、
勉強することに意味がないとはいいません。ただし、そこには大きな投資と機会損失が伴います。
残念ながら投資リターンはあまりよくないでしょう。もちろん、それでもいい、勉強することが自分は好きなんだ、
という人を止める理由はどこにもありません。キャリアを考える際に、これまでやってきたことがベースになります。
異業種転職を29歳になった方が考えることは、あまり得策ではありません。あまり現実感のないキャリアゴールを考えても、
その道のプロでなければ、いつまでたってもゴールには近づけないという厳しい現実があると思います。
以上、厳しい意見も含まれていると思いますが、ご参考になれば幸いです。どうぞ、お仕事がんばってください。
小松俊明
