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小松俊明 著
(ナナブックス)

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キャリアについて:2004年04月08日(木)通信教育のMBAは転職市場でどのように評価されているか

質問内容:
「役に立つMBA役に立たないMBA」を読み非常に参考になりました。繰り返し読みながら,再度,人生設計も考え直しているところです。

私は,xxと申します。xx電力株式会社に勤務し,営業開発を担当しております。40歳です。私は,欧州のMBA(通信教育・ 将来的にはPhD)受講するため準備にあたっております。大変,不躾ながら,ご意見など頂戴できましたら幸いでございます。

MBA取得の目的は,リスク・マネジメントの視点からの新しい視点に立った経営手法等を学び,当社でリスク・マネジメント室を設立, 運営に携わりたいと考えております。また, ご存知のとおり激変期の業界だけに企業の吸収合併なども含めグループ内企業の再編も手がけたいと考えております。 卒業後のキャリア戦略としては,取りあえず,社内で新しい組織を立上げ,結果として,いいポストに就くことにあります。

現在は,リスク・マネジメント協会の講座等で学んでおります。先生の著書では,MBAの効用を海外で培った人脈を日本に持ち込む, プレゼンテーション能力の向上,人生の友や師との出会い他,現地留学によって得やすい点が挙げられておりますが, 通信教育では不十分とお考えでしょうか?社会一般として,現実は,通信制の場合,オンキャンパスとは同等に扱われていないのでしょうか? 先生自身はどうお考えでしょうか?

私が欧州のMBAを選択した理由は,欧州では,長い歴史において,成熟社会を維持・発展させている欧州企業の経営は,発想・ 手法とも多くの経験を踏まえながら新しいものを取りいれる努力,そして,グローバルなセンスを持ち合わせているものと思われるからです。 リスクの面でも各国に国立リスクセンターがあり,民間会社も一員となり総合的なリスク管理に取組んでおります。

世界で,欧州の有名企業が活躍する裏には,その様な独特の体制を持つところにもあると思われ,縁の深い欧州の大学院を選択しております。 そして,通信制は,会社を辞めずに有名なMBAを受講できるからです。私が志望している大学院は,イギリスのヘンリー,インペアル, ヘリオット・ワット,アメリカのラシュモア大学(通信制のみ)などです。ラシュモア大学については, 歴史が浅いながら世界的な有名企業が受講を支援しているようです。先生の実感として,上記の大学は,社会で通用しているのでしょうか?

最後に,激変の業界であるだけに,個人的にも将来に不安は大きく,転職は現在方向性として検討中です。お忙しいところ恐れ入りますが, ご指導方よろしくお願いいたします。

回答:
勉強する目的の中の一つに学位取得があると思いますが、この点をあまり優先しないのであれば、通信による勉強ほど、 合理的な手法はないのだと思います。その点から言って、仕事をやめることもなく、それにおける機会損失もなく、不当に大きな精神的、 金銭的な負担もないという点で、通信による勉強は有利です。

一方、転職市場における通信の勉強の認知度とその実質的な効果という点で言えば、残念ですが、あまり効果が大きいとはいえないのが現状です。

MBAはアカデミックなものでは本来ありません。非常に実践的であることを目標としています。そうした意味で、 便利で合理的な側面があるものの、通信にはバーチャルなスタディという要素が強いですね。実際ビジネスの重要な側面は、 アナログ的な要素で動くわけですから、その部分が通信には決定的に欠落しています。

私は外資系企業の転職の現場にいますが、正直なところ、 以上にあるような通信教育で取得したMBAが経歴に書かれていることをほとんど見たことがありません。 まだまだ受講生が少ないのかもしれません。また転職市場に出てくる人材の多くが、欧米に留学、または国内留学など、 通学してMBAを取得しているというのが、現状でもあるのだと思います。

MBAを持っていれば転職に有利かといえば、ないよりはあったほうが注目はされますが、結局は実力しだいということではないでしょうか。 勉強することはとても大切なことです。さらに目的意識が明確であればなおさらです。

がんばってください。

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